J.O.S.G.会長 小佐々 夫
昭和56年(1981年)に日本一般臨床医矯正研究会(J.O.S.G.)が設立発足してから、30周年の節目を迎えることになりました。
そしてこの度、J.O.S.G.創設30周年記念大会を日本全身咬合学会・東京大会と併会で開催することになりました。J.O.S.G.会員のすべての皆様に是非ともご参加いただき、祝賀をすると共に未来に向けての新たな確たる方向を見出していただく記念大会としたいと願っております。
顧みれば、一般臨床医が矯正治療をはじめたのは、補啜処置の前準備として、また歯周処置の一部としての“M.T.M.”が始まりであり、その後小児の咬合誘導へ、また矯正治療へと展開されてきました。当会の発足もこうした一般臨床医の要望に応えることから始まったと言えます。そして、その根幹となる3Dモジュール矯正法は、第1大臼歯を3次元的にコントロールするという画期的な素晴らし技法であり、今や完成度の高いものとして確立されてきました。正に、成長期の子どもの咬合誘導ないし咬合育成に最適な技法であります。
現在の子どもたちは、食生活の乱れ、また生活習慣の変容により70〜80%が不正咬合或いはその予備軍であります。この現実を踏まえ、どう対処すべきなのでしょうか。私たち一般臨床医(GP)は不正咬合の治療(後始末)にのみ目を向けるのでなく、不正咬合の出来てくる原因を捉え、それに早く対応して行く所謂予防矯正に目を向けて行くことが大切であります。そのためには、子どもの成長発育を“口腔から全身を”、“全身から口腔を”という両面から捉えて行くことをしなければならない。と同時に不正咬合を単に形態的な面からだけでなく、機能的な面、全身的な姿勢的な面からも診て行く知識を深めて行かねばならない。
今や、私たちはDentistry(歯科医学)からStomatology(口腔医学)へと大きくシフトして行く転機が来ております。
今回、J.O.S.G.創設30周年記念大会を日本全身咬合学会・東京大会と共に、特に“呼吸”“咀嚼”“嚥下”にフォーカスを当てて開催することは、予防矯正を目指して行く私たちJ.O.S.G.の皆様にとりましても大変に意義あるものと思われます。より多くの皆様のご参加を期待いたします。