HOME > 総会・例会のご案内 > 2023年 第42回総会
新型コロナの制限解除後初の開催となりました2023年第42回総会学術大会は、多くの皆さまにご参加を頂き、盛大かつ盛況のうちに終了できました。
ご講演頂いた先生方をはじめ、皆さまのご協力とご支援に心より御礼申し上げます。
メインテーマ 予防矯正(その1)!!
J.O.S.G創設41周年記念学術大会では多大なるご協力を頂き、誠に感謝申し上げます。
さて今回の総会では、41周年のテーマである予防矯正の大切さを引き継ぎまして、まだまだ消化不良の方々も沢山おられるかと存じますので、各務先生に追加講演をお願いいたしました。
最も重要である、生まれた時から始まって混合歯列期までの期間に的を絞り、広く視野を広げる目的でそれぞれの場でご活躍しておられます青葉先生・今村先生に午後の講演をお引き受け頂きました。
また、最後に各務先生にもご登壇いただき3名にてのシンポジウムを開催いたします。
ご自身の教育の視野を広げる意味でも一緒に勉強しませんか。
どうぞ、お見逃しの無いようにご参加いただけますようお願い申し上げます。
J.O.S.G.(日本一般臨床医矯正研究会)
会 長 勝沼 稔
日 時 | 2023年5月14日(日) 午前10時より(9時30分 受付開始)/午後5時閉会 |
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会 場 | 建築会館(東京・田町) | |||||||||||||||
参 加 費 |
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建築会館(東京・港区)
〒108-8414 東京都港区芝5-26-20 (当日ホール直通 TEL03-3769-2977)
●JR山手線・京浜東北線 「田町駅」徒歩3分
●都営地下鉄浅草線・三田線「三田駅」徒歩3分
※駐車場はございません
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9:30 | 受付開始 | |
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9:55 | 開会 | 司会:太田 敏 先生 |
開会の挨拶 | 勝沼 稔 会長 | |
10:00 | 教育講演 | |
「 生まれた子が将来生きていくために オシャブリがいかに必要なのか細かく解説する 」 ―50年前より現在へと口腔関連も含めて大変なことになってきている― |
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当会顧問 各務 肇 先生 |
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12:00 | 昼食 | |
第42回総会 | ||
議長選任 2022年事業報告と2022年決算採決 2023年事業計画と2023年予算採決 |
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13:30 | 特別講演 Ⅰ | 座長:川本 達雄 顧問 |
「 咬合誘導と筋機能訓練で創る快適咬合 」 | ||
青葉こどもと親の歯科医院 院長(仙台市) 青葉 達夫 先生 |
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15:15 | コーヒーブレイク | |
15:30 | 特別講演 Ⅱ | 座長:山口 秀晴 顧問 |
「 私の機能的矯正治療の考え方 」 | ||
M.I.H.O.矯正歯科クリニック 院長(甲府市) 今村 美穂 先生 |
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16:30 | シンポジウム | 座長:山口 秀晴 顧問 |
青葉 達夫 先生・今村 美穂 先生・各務 肇 先生 | ||
17:00 | 閉会の挨拶 | 染谷 博宣 副会長 |
●教育講演●
「 生まれた子が将来生きていくために
オシャブリがいかに必要なのか細かく解説する 」
― 50年前より現在へと口腔関連も含めて大変なことになってきている ―
JOSG 顧問
各務 肇 先生
1981年設立のJOSGが42年目に入り、小生の定期講習会も1979年に始めて、本年5月の会が100回目を迎える。
「オシャブリ」については、第1回目から「オシャブリをやらせろ」から「ガムを噛ませろ」を言い続けてきました。
その頃から「やらせないと、こうなる」「大人になったら、こうなる」など、やらなかったことでの弊害やいわゆる不定愁訴などを説いてきました。先進国の中で、日本だけオシャブリは売っているのに全然売れていませんでした。
小生は、メリットとデメリットを説いてきました。しかし、現在も売れていませんし、させないことによる弊害がひどくなっています。しかも、医者を始め歯科医たちも、生体の機能の悪化を「いかに治すか」を勉強しているだけです。なんでそうなるのかを解っていません。「解ろう」とはしていますが、「オシャブリ」については、子どもの玩具という頭があり「オシャブリ」の研究をしていません。歯列や骨格に対して「危険である」との先入観です。だめです。
小児の口呼吸や舌癖に始まって、女性ホルモンの分泌低下、喘息、骨粗鬆症、若年者認知症、など日本だけ多くなってきているのを知っていますか?
根本から少なくするには、外国のように「オシャブリ」をさせ、ガムをかませましょう。
教育講演について:各務 肇 先生の追加抄録
50年前からどんどん悪化してきている。このままだと日本が潰れる。
今回の講演では、先日の41周年の会場で皆様に配布した「オシャブリ」についての「やらなかったらこうなる」のところを詳しく説明していきます。
先生方が、予防矯正や咬合誘導、矯正をやっていく上で、絶対見逃してはいけない、はじめに患者や親に指摘・説明を絶対にしておかなければならないことについて話します。
これまでの総会や例会ではこの話はしていないので、ぜひお耳を拝借です!
医科学や医歯薬などの研究が進み、病気を治そうとする治療に対する研究も進んできています。哺乳類の一つの動物である「人間」として生まれたからには、育たなければならないし、成長が止まって人間が完成した時には、ある程度正常でありたい。そしてそれが「健康」ということばで語られています。しかし、人間を一つの生きた「物体」として考えたとき、医学でも人間の本当の「正常」は解っていません。
人間に起こってしまった不快な症状や病気を治すための研究は多く、まだ解明が進んでいない「〇〇シンドローム(症候群)」と呼ばれるものや難病と称されるものは、どんどん増えています。しかし、生まれた時に、将来生きていくためにやらなければならないこと、「本能」として、自然界がやらせていることについての研究は多くありません。
人間は生まれてから「呼吸の方法」が変わり、「飲む」行為を始めますが、そこから将来の健康につながっていきます。つまり、正常な呼吸をして、正常な嚥下をする人間に育っていくためには「何をしようとしているのか、しているのか」を解っていなければなりません。
生まれた時から自然界が人間にやらせることは、まず「口に物を持っていく」ということです。赤ん坊は「何でも口にしたい」「シャブりたい」ので、動けない赤ん坊はすぐにシャブれる自分の手や指を口に持っていこうとします。
では何故自然界は、生まれて間もない、まだ動けない子に「物をシャブらせよう、舐めさせようとする」のか?
それは、とにかく「口の中に唾液(よだれ)を出す」ことが目的だからです。物を見て、「舐めたい。口にしたい」と考えるだけで、その子の脳は唾液を出すようにします。唾液が出たら、それを飲まなければなりません。そこで自然と「飲む・飲む・飲む」の行為が行われるようになるのです。
自然界が本当にやらせたいのは、その「飲む」行為なのです。そのために「唾液が多い」のです。
なぜ自然界は「飲む」行為を生まれた時から大切にしているのか?それは舌筋(特に舌根部)をしっかり作っていきたいからです。「人間は舌筋によって生きている」といっても過言ではないからです。呼吸(酸素の取り込み)、嚥下(栄養の取り込み)、発音(音声による伝達)をするための筋肉を作って正常で健康といわれる人間に成人していくためです。
すなわち、人間は舌の筋肉を作るために、生まれた時から「指シャブリ」や「オシャブリ」をするのです。
なぜ日本ではそれをやめさせようとするのでしょうか? ここまでは、これまでもお話してきました。
今回お話ししたいのは、口呼吸についてなどでなく、オシャブリをしないことで、歯列や咬合、歯自体にどのような悪いことが起こっているのか、舌の筋肉が弱いことで、自然界が今まで普通にやらせていた行為ができないで、どんなことが起こっているのか、まだ歯科界では気付いていない変化などについて指摘させていただき、解説したいと思います。
その指を取り上げないで!指より柔らかい「オシャブリ」をください!
その行為をやめさせないでください!!
●特別講演Ⅰ●
「 咬合誘導と筋機能訓練で創る快適咬合 」
仙台市開業
青葉 達夫 先生
咬合誘導はフルマウスのワイヤー矯正ができないから仕方なく行うプチ矯正ではない。歯列矯正治療後の後戻りは頭の痛いところであり、機能にそぐわない形態を付与すると経時的に破綻するので咀嚼・呼吸に沿った形態を付与してやることが術後の長期安定につながる。
歯列・咬合は骨の大きさと歯牙の大きさの調和によるところが大きく筋機能訓練と咬合誘導だけですべての症例において歯列・咬合を整えることは不可能であり、ワイヤー矯正や外科矯正も必要になる。機械的な介入はいつでも治療の効果を期待できるが、咬合誘導・筋機能訓練は時期を逃すと効果は実感できにくい。近年、健康保険にも算定できる項目が入ってきたので臨床に則して解説する。
●特別講演Ⅱ●
「 私の機能的矯正治療の考え方 」
甲府市開業
今村 美穂 先生
近年、小児の口腔内の歯列及び咬合の問題は益々悪化しているように日常臨床で日々感じています。また周囲の大人たちの知識も向上し、そして矯正治療やMFTが普及してきたことから、早期の治療を求める人も増えてきていると思います。
私の矯正治療の拙い臨床から、機能的矯正治療をどのように考え、どのように実践しているのか紹介しながら、乳歯列期、側方歯交換期、そして若年者の口腔機能の管理には何が必要で、何が予防できるのかをMFT(筋機能療法)と共に考えたいと思います。
予防矯正の観点から、そして咬合完成して長期に安定した口腔内を維持して健康な生活を送るために、小児の矯正治療には機能的には何が大切であるかを皆様と議論する中で、多方面にわたる専門的かつ著名な会員の先生方にこの機会にご
教授いただければ幸いです。