日本一般臨床医矯正研究会

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創設41周年記念学術大会

11月26日・27日に開催いたしました「創設41周年記念学術大会」は、多くの方々にご参加いただき、盛況のうちに終了することができました。
ご講演頂いた先生方をはじめ、皆様のご協力とご支援に心より御礼申し上げます。

当日の様子

ご挨拶

当会(J.O.S.G.)は、昨年、創設40周年を迎えました。

しかし、新型コロナウイルス感染症拡大のため記念大会を先送りし、本年11月に41周年として記念大会を開催することになりました。

我々の指導者、各務 肇先生も長年研究を積み重ねられ、すべてのことが横に縦につながり、「大人になっての不定愁訴(特に更年期障害)を少しでも少なくし、その健康を維持させる咬合」…それを作るためには、「生まれた時からの予防矯正」の大切さを説いておられ、当会でも「重要課題」として勉強しております。

この大会は、それらの集大成として、皆様と共に「予防矯正」の必要性を確認しようと思います。

メインテーマに掲げている「ロマン」の意味としては、⦅夢⦆⦅あこがれ⦆⦅理想⦆などありますが、今回は、【強い思い入れ】・【追い求める価値】を求めたものであります。

一人でも多くの皆様のご参加を、心よりお願い申し上げますとともに、一人でも多くの子ども達を「将来健康とその維持」のために手助けをしてあげられることを願ってやみません。

J.O.S.G.(日本一般臨床医矯正研究会)
会 長 勝沼  稔
大会長 染谷 博宣

開催概要

大会日時 1日目:2022年11月26日(土) 午後1時より(12時 受付開始)
2日目:2022年11月27日(日) 午前9時30分より(9時 受付開始)
大会会場 御茶ノ水ソラシティホール(東京・千代田区神田駿河台)
懇親会 2022年11月26日(土)午後6時開宴(5時30分 受付開始)
会場:東京ドームホテル
参 加 費
  事前登録 当日登録 懇親会
会員 18,000円 20,000円 10,000円
準会員(会員のスタッフ) 10,000円 10,000円
非会員 歯科医師 22,000円 25,000円  
スタッフ 12,000円
●会員の参加ポイントは10ポイント(2倍)となります。

会場のご案内

御茶ノ水ソラシティホール(東京・神田駿河台)

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ2F
●JR中央線・総武線 「御茶ノ水駅」聖橋口より徒歩1分
●東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」 B2出口直結 徒歩2分
●東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」1番出口より徒歩4分
※駐車場のご用意はございません。公共交通機関をご利用ください。

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プログラム

1日目 11月26日(土)
12:00 受付開始
12:45 開会 司会者 : 太田 敏 先生 (総務委員長)
大会長挨拶 染谷 博宣 先生 (大会長)
会長挨拶 勝沼 稔 先生 (会長)
13:00 連続講演
少しでも不定愁訴のない健康を維持するための、究極の予防矯正とは・・・

(その1)咬合関連の不定愁訴は、どのように起こり、どうやって治るのか。

各務 肇 先生
14:40 教育講演Ⅰ 座長:各務 肇 先生
早期治療に用いた拡大スクリューつきエフ・カー・オー(FKO)の想定外効果
福原 達郎 先生
15:00 休憩
15:10 特別講演 座長:川本 達雄 先生
「歯が並んでいること」と「噛めること」
筒井 照子 先生
17:10 第1日目終了挨拶 太田 敏 先生
18:00 ~ 20:00  懇親会(東京ドームホテル)
2日目 11月27日(日)
9:00 受付開始
9:20 司会者挨拶 太田 敏 先生(総務委員長)
9:30 連続講演
少しでも不定愁訴のない健康を維持するための、究極の予防矯正とは・・・

(その2)自然界が作った人間、口腔周辺の不思議を知らないと、究極の予防矯正はできない。

各務 肇 先生
11:00 基調講演 座長:小林 義典 先生
My Way から Our Way へ
― SDG’s と 予防矯正 ―
小佐々 晴夫 先生
12:00 昼食・展示
13:30 教育講演Ⅱ 座長:山口 秀晴 先生
乳幼児期からの口腔機能発達支援の実際と課題
清水 清恵 先生
14:30 教育講演Ⅲ 座長:山口 秀晴 先生
成長発育期の予防矯正
三村 善郎 先生
15:15 休憩
15:30 連続講演
少しでも不定愁訴のない健康を維持するための、究極の予防矯正とは・・・

(その3)将来の健康をめざした究極の予防矯正は、どのように考え、どのようにやるのか、その方法。

各務 肇 先生
17:00 閉会挨拶 小泉 英満 先生

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講演抄録

●連続講演●
「少しでも不定愁訴のない健康を維持するための、
究極の予防矯正とは・・・」
―永久歯が並びきれれば良い、それが咬み合えば良い、
そして見た目もきれいなら良い・・・ではない―
JOSG 顧問
各務 肇 先生

歯の噛み合わせを正すと、色々な体調不良(いわゆる不定愁訴)などが改善されます。
 それを臨床下において研究してきました。
 「下顎位の大切さ」 下顎骨の不正位置からおこる顎関節症や、口腔周囲筋(主に舌骨上筋群)のアンバランスを原因とする不定愁訴、さらに体内酸素の不足の原因も歯列咬合であることが解りました。
 また同時にこれらすべての原因となっている歯列・咬合の作られ方も研究してきました。
 そして出た結論が「大人になった時に不定愁訴を発症させない歯列咬合をつくる」ということです。
 「人間」として生まれて、生まれた時から、自然界が、何をやらせて生かしていくのか、それを知らないと、その人の将来健康の基礎を築くことや、手助けしてあげることもできません。
 ですから、将来健康をめざすための第一歩は「生まれた時から始まる自然界における歯列の咬合の成長発育の方法を知った上で、それを手助けする」のが、予防矯正です。我々です。小児歯科医の責任は重大です。
人の健康を助けたいなら、3つの講義を確認してください。3つの講義は繋がっています。

     
  • (その1)咬合関連の不定愁訴は、どのように起こり、どうやって治るのか。これを知らないと、健康を目指した究極の予防矯正はできない。
  •  
  • (その2)自然界が作った人間、口腔周辺の不思議が色々あるが、それを知らないと、究極の予防矯正はできない。(歯列・咬合の作られ方など)
  •  
  • (その3)将来の健康をめざした究極の予防矯正は、どのように考え、どのようにやるのか、その方法。
●基調講演●
My Way からOur Way へ ―SDG's と予防矯正―
JOSG 前会長
小佐々 晴夫 先生

われわれ医療人は目の前の患者は診るが、患者集団としての社会・人類を診る意識は希薄である。今日、地球温暖化による気候変動や災害、環境破壊等で危機感が高まりつつあり、また大量生産・大量消費に裏付けされた資本主義の崩壊も云々されてきている。50年先、100年先…永遠に地球と人類がバランスよく存続するために、すべての活動を見直すべき時に来ている。医療とりわけ歯科医療はどうあるべきかを考えてみた時、“治療”に重きを置いてきた今までのやり方から、“予防”に重きを置く医療に転換すべきでしょう。

●特別講演●
「歯が並んでいること」と「噛めること」
北九州市開業
筒井 照子 先生

「目があること」と「見えること」、「耳があること」と「聴こえること」を同じだと思っている人はいません。しかし、歯科では、「歯が並んでいる」と「噛めるはずだ」と思っている人が多いのかもしれません。
 「噛める」とは口腔生理学で機能的咬合系として、脳、中枢、咀嚼筋、顎関節、歯列、歯のバランスが必要であることは知識としては知っています。しかし、臨床の場ではその意識が少し希薄になっているのでしょう。
 もう一度、臨床の中で「歯が並んでいること」と「それがうまく機能出来ているか」について考えてみたいと思います。御理解いただけると幸です。

●教育講演Ⅰ●
早期治療に用いた拡大スクリューつき
エフ・カー・オー(FKO) の想定外効果
JOSG 名誉会長
昭和大学名誉教授
福原 達郎 先生

早期矯正治療は、混合歯列期と言ってもいい。学齢で言えば、小学校在学中の子どもに対する矯正治療と考えてもいい。
 エフ・カー・オー(FKO)とは1963年にオスロー(ノルウエー)歯科大学のAndresen(アンドレーゼン)と同僚Haupl(ホイプル)との共著論文 Funktions-Kiferorthopedischer Apparat の略語である。日本の歯科大学・大学歯部歯科矯正学の授業の中で必ず講義され、国家試験にも出る機能的顎矯正法のことである。ただし、この矯正装置を作成する模型実習は全廃され、学生が自分でFKOを作る実習は無くなった。ただ、ほとんどの歯科病院や、全国の矯正開業医ではかなり高い頻度で、患者さんの治療装置とした使用されている。患者さんは夜間にこれを使用する。大体8時間程度は寝ているので、きちんと使用してくれれば、大きな効果が期待できる。
 このFKOを正中分割し、拡大スクリューをつければ、歯列は左右は勿論、垂直方法にも構成咬合の力として前歯部で3・4ミリ程度上下歯列は垂直方向にも拡大される。今回の資料は将来上下左右の第1小臼歯が必要になると予想される症例を選び、側方拡大に成功しなければ、抜歯も避けられない場合が起こることを、了承した上で、治療を開始した。幸にして、抜歯症例は発生しなかった。想定外の速さで治療が進行してゆくので、この方法は、もっと利用されるように公表することを決意した。

●教育講演Ⅱ●
「乳幼児期からの口腔機能発達支援の実際と課題」
JOSG 理事
清水 清恵 先生

生涯を通じて食事を美味しく食べ、会話を楽しみ、健やかに過ごすためには、健全な口腔機能の獲得と維持は欠くことのできないものと考えられる。歯科における機能へのアプローチといえば口腔筋機能療法(myofunctional therapy:MFT)が代表として挙げられる。MFT は歴史的には矯正歯科臨床上のニーズから開発され発展してきた。しかし、歯列不正が顕著に現れる以前から、口腔周囲筋機能の不調和は認められ、仕上げ磨きが困難、食べ方が遅い、汚い、流涎、うがいができないなど、生活機能に差し障る問題として当たり前のように存在していることは少なくない。現在では口腔機能発達不全症の一つとして指導の対象となっている摂食・嚥下時の舌突出癖、誤った口唇位・舌位といった口腔筋機能障害の定着、重篤化防止のために、当医院で日頃から行なっているMFTを応用した口腔機能へのアプローチの実際を本講演ではご紹介したい。

●教育講演Ⅲ●
「成長発育期の予防矯正」
JOSG 理事
三村 善郎 先生

成長発育期の予防矯正について
 不正咬合の成因には生活習慣が深くかかわり、その形は今までの生活習慣の積み重ねともいえます。成長発育期においては、咬合力や口唇、頬と舌の筋肉、それに伴う寝相や頬杖、口呼吸等の体の使い方が大きな要素になると思われますが、混合歯列後期の咬合誘導についてその方針について、過蓋咬合・下顎後退咬合を念頭に置きお話しさせていただきます。

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