HOME > 総会・例会のご案内 > 令和7年(2025年)例会
メインテーマ 予防矯正(その6)
皆さん、こんにちは。会員の先生方におかれましては、お忙しい中JOSG発展のためにご尽力いただきまして誠にありがとうございます。
AI技術の著しい躍進を筆頭に、人類はCOVID-19のパンデミックを経験したことにより、「十年ひと昔」から正に「一年ひと昔」と呼ぶに相応しい程の社会・経済・医学などの激変を経験し、世界は大きく様変わり進行中ではないでしょうか。
このような変化の激しい時代のなか、僅か年2回開催のJOSGの学術大会を一回でも聞き逃すということは約10年分も変革から取り残されてしまうことになりかねません。今回も、引き続き午前中の講演は各務先生にお願いしました。Fullブラケット終了時にどのようにして終了するか,という内容でお話しいただけるそうです。
また、特別講演といたしまして姫路市にて開業のカノミ矯正歯科クリニック 嘉ノ海龍三先生並びに、日本大学歯学部口腔外科、順天堂大学医学部附属順天堂医院口腔外科 生木俊輔先生にお願い致しました。
恒例となっております会員発表では、京都の馬渕先生と東広島の宗近先生にお引き受けいただきました。
たくさんの先生方のご参加を心よりお待ち致しております。末筆ではございますが、時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
J.O.S.G.(日本一般臨床医矯正研究会)
会 長 勝沼 稔
| 日 時 | 2025年11月9日(日) 午前10時より(9時30分 受付開始) |
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| 会 場 | 建築会館(東京・田町) | |||||||||||||||
| 参 加 費 |
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| 申込方法 |
大会パンフレット(FAX申込用紙)
申込フォーム(Googleフォーム)
事前登録締切:10月24日(金) ※締切日以降は当日会費となります。 |
建築会館(東京・港区)
〒108-8414 東京都港区芝5-26-20 (当日ホール直通 TEL03-3769-2977)
●JR山手線・京浜東北線 「田町駅」徒歩3分
●都営地下鉄浅草線・三田線「三田駅」徒歩3分
※駐車場はございません
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| 9:30 | 受付開始 | |
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| 9:55 | 開会 | 司会:古森 喬 先生 |
| 開会挨拶 | 勝沼 稔 会長 | |
| 10:00 | 教育講演 | |
| 「マルチ・ブラケットでの仕上げと撤去から保定へ」 -作った歯列・咬合の安定を維持させるために、 どの時点で何を考え、何をしていくのか- |
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| 当会顧問 各務 肇 先生 |
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| 12:00 | 昼食 | |
| 13:00 | 特別講演Ⅰ | 座長:川本 達雄 顧問 |
| 「歯列矯正治療における多数歯先天性欠如の臨床」 | ||
| カノミ矯正歯科クリニック(兵庫県姫路市) 嘉ノ海 龍三 先生 |
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| 14:45 | コーヒーブレイク | |
| 15:00 | 特別講演Ⅱ | 座長:山口 秀晴 顧問 |
| 「舌小帯強直症に対する外科的アプローチ」 | ||
| 順天堂大学医学部附属病院歯科口腔外科部長 生木 俊輔 先生 |
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| 16:00 | 会員発表1 | 座長:勝沼 稔 会長 |
| 「子どもの成長に合わせた不正咬合から正常咬合への治療経過報告」 | ||
| 当会会員(京都府京都市) 馬渕 隆史 先生 |
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| 16:30 | 会員発表2 | |
| 「ヘッドセラピーと矯正のフュージョン」 (あなたのその頭痛、ヘッドセラピーで治るかも) |
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| 当会会員(広島県東広島市) 宗近 宏子 先生 |
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| 17:00 | 閉会挨拶 | 赤沼 岩男 副会長 |
●教育講演●
マルチ・ブラケットでの仕上げと撤去から保定へ
―作った歯列・咬合の安定を維持させるために、
どの時点で何を考え、何をしていくのか―
JOSG 顧問
各務 肇 先生
マルチブラケット終了時に撤去して、保定装置に移行し、それも撤去していく。これらの方法や装置の種類、使用期間など、各医院や先生によって違いがある。
当会の先生方は、ほとんどがDr.Wilsonの3D装置を使用している。すなわち基本的に4本の第一大臼歯にバンドが装着されている。出来上がってきた咬合に対して、最終段階までに、咬合の緊密化を図るため、どのように対応していったらいいのか、そして形態修正やバイト・チェック、撤去のタイミングなど、どの時点で何をするのか、保定はどのように考え、どんな装置を使用するといいのか。第二大臼歯を整えながら治した症例と、混合歯列の若年者から始めて、第二大臼歯萌出前に、第一大臼歯より前方の歯列・咬合が出来上がって、これから萌出してくる第二大臼歯をExtenderで治すために、第一大臼歯のバンドのみ残して撤去した場合、その後の保定は?そして不正萌出した第二大臼歯のコントロール時は?など、すべてについて話します。
いつもの通り、内容の細部については、後のプログラムと同時に抄録を送ります。
教育講演について:各務 肇 先生の追加抄録
「マルチ・ブラケットでの仕上げと撤去から保定へ」
-作った歯列・咬合の安定を維持させるために、
どの時点で何を考え、何をしていくのか-
我々グループでの咬合の仕上げは、審美だけでなく、咬合の不正から起こる身体的、精神・神経的などの不定愁訴について、舌の部屋と酸素の関係を考えた健康、そしてその維持のための全てを考えての矯正である。
歯列は臼歯の垂直咬合で、出来上がった。犬歯のⅠ級咬合と下顎運動の犬歯誘導も確認できた。あとは必要な場所を形態修正しながらのバイト・チェックである。
今回は、このあたりから、保定終了までの行程の中で、何を考え、何をしていくのか、平均的な症例での話をします。
- A.混合歯列期から始めた症例で、第二大臼歯萌出前または萌出中に第一大臼歯より前方の歯列・咬合が完成した場合の症例について
- B.歯列・咬合が完成した時点で、第二大臼歯の咬合も完成している症例について
AとBで、下記についての色々な順番やタイミング、方法が異なります。
- ○不正なバンドはいつ撤去するのか
- ○形態修正とバイト・チェックの時期
- ○形態修正とバイト・チェックの主な場所
- ○保定装置製作のための印象はいつ採得するのか?
- ○印象採得の際の注意点
- ○上顎での保定装置はどう考えるのか?
- ○上顎での保定装置の大臼歯へのクラスプの位置の決め方(症例による)
- ○下顎での保定装置は、何を考えた装置なのか?
- ○マルチ・ブラケット撤去前の患者への再確認事項
- ○マルチ・ブラケット撤去直前の前歯咬合の再確認とは?
- ○マルチ・ブラケット撤去後の保定装置に対する患者への注意事項
- ○保定装置装着4~8週間後の咬合確認法と、その後の装置使用時間の説明と、装置の調整
- ○保定装置使用後の来院期間と、使用法の変更や撤去時期などについて
- ○A症例についての3DLiでの保定の話
- ○第二大臼歯不正萌出をExtenderで修正する際、前方アーチの位置を変えるのは何のため?(主にA症例)
- ○第二大臼歯不正萌出をExtenderで修正する場合、上下犬歯にUpp & Downの顎間ゴムを使用してもらうのは、どんな症例(AとBの中間症例など)
垂直咬合での舌の部屋を維持させるため、注意点がたくさんありますが、今回終わらなければ、(その2)として来年4月の続きを考えています。
少しでも参考にしてください。
●特別講演Ⅰ●
歯列矯正治療における多数歯先天性欠如の臨床
カノミ矯正歯科クリニック
嘉ノ海 龍三 先生
多数の先天性欠如歯(以下、先欠)を持つ患者さんの歯列矯正の臨床は、通常の症例よりも治療の難易度が高くなることは言うまでもありません。大きくテーマとしてあげたいのは、
- ① インプラント植立:オギュメンテーション(骨再植)+GTRを少なくするには?
- ②乳歯の保存:乳歯を保存するための処置とは?
- ③Interdisciplinary Approach:患者生涯に関わるこの問題を他の分野の専門医と共有していくために必要なこととは?
- ④患者の家族も含めた心のケアとは?
今回は、これらの諸問題について皆様と一緒に考えていきたいと思います。
●特別講演Ⅱ●
舌小帯強直症に対する外科的アプローチ
順天堂大学医学部附属病院歯科口腔外科部長
生木 俊輔 先生
舌小帯強直症は臨床現場において、しばしば遭遇する疾患である。舌小帯強直症の患者はラ行の発音がしにくく、舌を口蓋に押し付ける力が弱いため、誤嚥を起こす事が知られている。この疾患は患者に自力で舌を挙げてもらうと舌がハート型になるのが特徴である。舌小帯形成術の保険点数は630点と決して高くなく、日常臨床ではレーザーやメスで小帯を切るのみを行う事が多い。今回、紹介する舌小帯形成術は舌小帯切除後にオトガイ舌筋筋膜の鈍的切除を行い、オトガイ舌筋の伸縮性の向上を目的としている。オトガイ舌筋の筋膜をリリースすることで舌の可動域が拡がる。この術式を動画を交えて解説する。

